説明 |
新第三紀中新世前期から後期にかけ
てアフリカ大陸・ユーラシア大陸・
北アメリカ大陸に生息した、長鼻目
アメベロドン科に属する絶滅した哺
乳類のグループ。肩高は約2メート
ルに達する。上顎の牙は現生のゾウ
と比較して小型であるが、下顎の牙
は大きく扁平な四角形の板状構造を
なし、シャベルのように特殊化した。
頭部と頸部は前後に長い。長鼻目の
哺乳類が大型化し、鼻が長大化して
いく過程に出現したグループとして
位置付けられている。
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新第三紀鮮新世から更新世にかけて
アジアに広く生息していた。アフリカ
大陸からも産出が報告されている。
臼歯の咬合面に、とがった屋根状の
稜が平行に走っていることからステ
ゴドンと名づけられた。長鼻目ステ
ゴドン科のグループである。肩の高さ
が3mを超す巨大なものから、島に
住むことによって矮小化したとされ
るインドネシアのステゴドンや日本
のアケボノゾウなど肩の高さが1.5m
ぐらいの小さなものまで、大小さま
ざまなものが知られている。頭が細
長く、頭頂部は幅広く平坦であり、
長い上顎の左右の牙はまっすぐに平
行に伸びていた。 |
第四紀更新世中期の約65万年前頃か
ら更新世後期の約1万5000年前まで、
日本に生息していた長鼻目ゾウ科の
ゾウである。肩高2.5m〜3mで、現
生のアジアゾウと比べ、やや小型で
ある。氷期の寒冷な気候に適応する
ため、皮下脂肪が発達し、全身は体毛
で覆われていたと考えられている。
牙が発達しており、雄では長さ約240
cm、直径15cmほどに達した。この牙
は小さいながらも雌にも存在し、長
さ約60cm、直径は6cmほどであっ
た。 |
第四紀更新世後期の約11万5000年前頃か
ら完新世の約4000年前まで、ユーラシア
北部から北アメリカ北部にかけて生息し
ていた長鼻目ゾウ科のゾウである。肩の
高さは3m程度、大きさとしては現在の
アジアゾウとほとんど差はない。なお、
カリフォルニア沖のサンタ・バーバラ島で
は、肩の高さが1.2m程度の小型のもの
も発見されている。頭頂部には黒い剛毛
が密生していた。上に高く突き出た頭の
形が特徴的で、耳は小さく、鼻も短かい。
皮膚の下に9cmもの厚さの脂肪層が発達
し、全身に黒い剛毛と褐色の柔毛が生え、
寒冷地に適したゾウであった。肩の部分
は、高く盛り上がり、腰のところで急に低
くなり、尾は短い。上顎の左右に、長さ3
mを超える、強く湾曲した1対の牙が下
向きに生え、両外側に向かって伸び、先
端は互いに向き合うようにねじれていた。
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