説明 |
古第三紀始新世初期(約5300万年前)に陸上に生 息したパキケトゥス科から、始新世末期(約3390
万年前)に絶滅し、海に生息したバシロサウルス
科までのすべての鯨類を総称した名称である。
この名称は、系統関係を表す正式な分類名では
ない。別の表現で、「古鯨類」「ムカシクジラ類」
「原始鯨類」などがある。原クジラ類の起源は、
テチィス海沿岸と言われ、熱帯の生物が豊富な
遠浅な海域で、陸域から海域へ食物を採取する
生活に適応するよう進化したとされる。骨膜を
分厚くし、骨の重量を増して、水の浮力を打ち消
し、海に潜る生活だったと思われる。
画像の一番上は、バシロサウルス科のドルドン(
体長5m)である。右下が、体長1.8mのパキケトゥ
スである。中央が、体長3mのアンプロケトゥスで
ある。
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現生のクジラ類は、ヒゲクジラ類とハクジラ類
に大きく分かれる。新第三紀漸新世初期(約3390
万年前)に原クジラ類のドルドンの子孫などから
発生したと考えられている。最初期のヒゲクジ
ラ類も歯を持っていたので、歯の有無がグルー
プ分けではない。ヒゲクジラ類との違いは、ハ
クジラ類は、伸張した上顎骨が眼窩の上を通り、
「上眼窩突起」という筋肉付着部を持つことで、
筋肉・発声唇を用いて、高周波エコーロケーシ
ョン能力を発揮している。また、鼻孔が1つ、耳
骨が頭骨と分離、耳骨の耳周骨と鼓室胞も分離
しているのも特徴である。また、嗅覚が完全に
退化している。イルカと呼ばれるものは、一般
にハクジラ類の小型の種類を指す。小型のハク
ジラは、顎に小さな歯を多数備える。歯は一生
歯性・同形歯で、種類によって本数や用途が異
なる。
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新第三紀漸新世初期(約3390万年前)に原クジラ
類の末裔などから発生したと考えられている。
最初期のヒゲクジラ類は、アエティオケトゥス
科など、ほとんどの科が歯を持っていた。漸新世
後期にクジラヒゲを持つものが現れ、中新世前
期にはセミクジラが出現した。上顎から生えた
「ひげ板」または「クジラヒゲ」と呼ばれる器
官を使ってオキアミ等のプランクトンや小魚等
の小さなエサを大量に濾しとり、食料とする。
ハクジラ類との違いは、ヒゲクジラ類は、頭部が
大型化し、頸が短縮している。鼻孔(噴気孔)は、
2つ。発声唇を持たないので、高周波エコーロケ
ーション能力が無い。ただし、低周波音を発し
て地形を把握したり、仲間を認識したりしてい
る。耳骨が頭骨と分離せず、骨の壁に囲まれて
いる。耳周骨と鼓室胞が融合している。嗅覚は、
完全に退化していない。
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